ところでテルハールについて考えるうちにナルシルの事も色々考えたのですが。
個人的にナルシルは、アラゴルンが折れた剣を鍛え直すエピソードがグラムやエクスカリバーを彷彿とさせます。トールキン作品には北欧神話と重なるエピソードが多い事を考えると、ナルシルもまたエレンディルによって岩ないし木の根から抜かれたのではないでしょうか。
映画設定だとナルシルには「Narsil essenya, macil meletya; Telchar carneron Navarotesse 我が名はナルシル、力ある剣;テルハールがノグロドにて我を造る。」という銘が刻まれているので、おそらく第二紀末のエレンディルが剣の名前を知ったのはこの銘によってでしょう。
いや、元々ヌメノールにあった剣なのかもとも考えたのですが、ヌメノール王家に伝わるのがシンゴルの佩刀アランルースとトゥオルの斧、ベオルの弓。ナルシルがそれらと同様にエルウィングとエアレンディルや第一紀のエダイン経由でヌメノールに流れていたなら言及が無いのはちょっと考えにくい。ヌメノール王家に伝わったとしてもシルマリエン経由でアンドゥーニエに渡ったのはバラヒアの指輪だけで、剣はなさそう。
ナルシルは名前がクウェンヤ語なのでシンゴルに贈ったものではないと思われます。ドワーフの作なのでゴンドリンに行った訳でもなさそう。そう考えると案外マエズロス用だったのかも。長身の彼が両手で振う為に作った剣だったけれど、片手を失ったため使われる事なく終わったのかもと想像してみます。
こう、凄く個人的なイメージとしては、ナルシルは第一紀の混乱の中流れに流れて中つ国の大地に埋もれ、ヌメノールの没落後に中つ国に辿り着いたエレンディルによって引き抜かれるというイメージがあるのです。
シンゴルの、とかトゥアゴンの、とか言われる事がなく、あくまでエレンディルの剣ナルシルという扱いなので、実際にナルシルを用いた著名人はエレンディルが初めてなんじゃないのかなあ。
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