私にとって、クルフィンのOTPはテルハールです。絶対です。イラストもまた描きたいです~。最近あまり描けてませんが~。
どうしてこのカプを好きになったかというと、発端はクルフィンがドワーフの短剣アングリストを持っている事だったような気がします。そしてクルフィンがドワーフと親しく、彼等の言葉を覚えたというHoME12の設定を読み、ケレブリンボールの存在を考え合わせると(没設定だとしても)それはとてもしっくりいくなぁと思ったのでした。
辛い生を送ったクルフィンという存在にとって、中つ国でのドワーフとの交友が安らげる場所であってくれたのなら、こんなに嬉しい事はないです。
ケレブリンボールの、第二紀でのエレギオンでのドワーフとの交友関係の基盤に、父もまたドワーフと親しかった事があると考えるとしっくりいくのですよね。
クルフィンの祖父マハタンは「アウレに最も愛された名工」であり、赤銅色の髪です。テルハールが属するノグロドのドワーフは(草稿によってノグロドだったりべレゴストだったり色々なのですが取り敢えずノグロドで考えたい)おそらくFire beards dwarf……炎髭族。赤い髪と髭を持つ者が多い種族だったと推察し、テルハールもそうだったと仮定すると、クルフィンにとっては懐かしさを覚える要素だったのではないでしょうか。
で、「ドワーフは他種族からは男女の区別がつきにくというのなら、もしかしたら女性だったんじゃない?」と考えてみたら、妙に腑に落ちたというか。まあ、クルフィンがそう思い込んでいただけで実は普通に男性でもいいのですが。
HoME11でのエオルとクルフィンの会話への注釈ではクルフィンがエオルに対して辛辣だった理由として、ドワーフとの交流を邪魔されると考えた事が挙げられています。エオルさんの、ドワーフとの仲の良さに嫉妬していたクルフィン。そう考えてくると楽しくなってくるではないですか。
(327pでは、悪役に描かれがちなクルフィンの違った一面が描けてよかった的な事が書いてありますね。)
エオルさんにはあんなに尊大に接したクルフィンが、ノグロドのドワーフ相手には膝をついて丁重に接していたらいい、凄く良い。妄想ですが。
クルフィンとテルハールの関係性は、ケレブリンボールとナルヴィのように気の置けない仲良しではなく、あくまで一歩引いた節度を持った関係かなと思います(でもいちゃいちゃしててもそれはそれで!)。クルフィンは別れたとはいえ結婚歴ありですしそもそも種族も違いますし、互いに密かな想いを秘めたまま永遠に別れる事になった……という二人の交友を想像してみたくなります。
テルハールのお師匠様のガミル=ジラクの名は、クズドゥルであってもおかしくないような響きの名です。それに対しテルハールの名の響きは明らかにエルフ語寄り。それもシンダリンよりはクウェンヤに近い響きだと思います。クルフィンが付けた名だったりしたら、物凄く嬉しいんですけれど!いえ普通に考えたらドリアスのエルフの方で呼び始めた名前という可能性が高いんでしょうが。
とにかくテルハールという名前が好きなのです。響きの柔らかさがお気に入りです。
テルハールの名が広く後世にも知られているのは、ただ単にその腕の確かさだけでなくエルフと進んで交易を進めた事も理由の一つなんじゃないかなと思っています。テルハールは多分シンゴル殺害よりはずっと前に天寿をまっとうしていて、もしテルハールが生きていたら事態も違っていたのかもしれない。
こう色々と考えてしまうのは、クルフィンの奥さんの名前が不明なため今一つ人物像に実感が沸かないというのもあるんでしょうね。名前の力は大きい。私は基本的に公式夫婦カプがあるとそれを尊重してしまい他の相手は考えられないタイプなのですが、奥さんの名前が不明な場合は他の相手との組み合わせに萌える余地が出てくるような(スランドゥイルも同じタイプ)。
後々ケレブリンボールが誰かにベレンとルシアンの話をする時、アングリストをその目で確かに見ていた懐かしい記憶を語っていたりしたらいいのになと思います。ナルヴィ相手に話したら、「あの伝説のテルハールの剣をその目で見たの!?すごーい!」と言ってくれたりー。
指輪物語本編の舞台である第三紀末から見れば第二紀もまた遠い過去なのですが、その第二紀も当時を生きた人々にとっては現在であり過去の出来事を懐かしんでいた事を思うと作品世界の豊かさが広がって感じられます。
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